【あじさい】
色を変えてく
あじさいのように
移り気な人
胸に爪跡を刻んで
音もたてずに消えた
優しさが足りなくて
乾ききった街で
ひとしずく
君がいるだけで
幸せだったのになぁ
今でもまだ目に浮かぶ
雨越しにつぶやいた
さよなら
ねぇどうして君だけが
空へと帰って
行ったのかなぁ
そう
涙さえも
雲間に隠したままで
身を枯らしてく
あじさいに
君の面影にじむ
生傷のままの心で
触れ合えたらよかった
悲しみの中でさえ
落ちることを止めない
この胸の砂時計の中
君だけつかえている
雨上がりの澄みきった
空と僕だけが
覚えている
6月の雨の中だけで
君が笑えたあの日を
そう
まるで雨に打たれて
光るあじさい
静かに光るあじさい
(C)Tomoyuki Kawano